「まさか晋、ヤクザの息子なのか？！」

「あの噂、マジだったんかよ…！」


ざわざわと北栄陣が慌てふためいていく。

どよめく不良達に、さっきまでの勢いは全くと言っていいほどなかった。


やっぱりこの方々ヤクザさんですよね？初めて見たわ。迫力ありすぎ…。そして晋がヤクザの息子だなんて。妙に納得してしまうわ。


というか今なにがどうなってこの状況なのか、さっぱり意味がわからないんですけど。


そんな脳内疑問符だらけの中、見覚えのある人がわたしに向かって近づいてくる。


あれって…。


「大変お待たせ致しました。遅くなり誠に申し訳ございません」

「な、なんで庄司さんが…」


なぜか黒い笑顔全開の庄司さんが目の前に…。


どういうこと？？？


「圭悟様をお守りいただきありがとうございます。あとは私共にお任せください」

「「失礼しやすっ！」」

「え？あの、わっ」


全身で抱えていた深瀬くんが男二人がかりで下ろされ離れていく。

体の感覚や神経が狂っていたわたしはバランスを崩しその場に尻餅をついた。


お尻に痛みを感じた気がしたけどそれよりも疲労感が半端なくて、息を整えながら心の中で自分自身に拍手した。


お疲れ様咲良。なんだかよくわからないけどよく耐えたよ。体力というよりも精神的に。