もう、こいつらほんと最低だ。最低最悪…


「うがっ!」


──。


「そいつに手を出す暇あったら、俺にかかってこいよ」

「しっ、晋!」


胸ぐらを掴まれていた手が勢いよく離れたかと思ったら、晋が横からパンチを入れたらしい。


自分の身も危ないって言うのに、助けてくれるなんて…。

晋って実はいい人なの?


「女に手ぇ出す前に俺の相手をしろよ、カス」

「─ちくしょう!晋の野郎!」

「なめんじゃねぇ!!」

「ウラァ!!」 


またわたし達を庇うように、背中で守ってくれる晋。


でも…


「ぐっ…!」


度重なる攻撃に顔を歪ませる。


そりゃそうだよ。数が違いすぎる。この人数を相手にしたら体力なんて話じゃない。


「北栄のNo.2が聞いて呆れるぜ」

「弱すぎだろ!」

「くたばれ!」


体勢を崩し起き上がれなくなった晋に、問答無用で襲いかかる不良達。


こっ、このままじゃ晋まで…!