え?森野が深瀬くんに頭を下げてる。どういうこと?


「なにがだよ。つーか俺のテリトリーに来んじゃねぇ。わけわかんねぇことほざいてねぇで、出てけ…」

「逢川、助けてくれたんだろ?」


──。


「…んなこと言いにここまで来たのかよ」

「今しかねぇだろ、こんな話できんの」

「別にお前の為じゃねぇし」

「不安だったんだよ。今、学校に来て元気な逢川を見るまでは。お前のお陰だ。俺じゃどうにもできなかった。俺が言うことじゃないかもしれないけど、感謝してる。ありがとう」


─森野…。


あんたはどこまでばかなのよ…。


「まさかその確認の為にガッコに来たのか?怪我、結構やべぇだろ」

「俺はどうだっていいんだよ」

「すげ。随分男前なこと言うじゃねぇか。つーか礼なんていらねぇし。お前に頼まれたから行ったわけじゃねぇ」

「そりゃわかってるよ。でも逢川が無事だったのはお前の力だろ?」

「お前に礼を言われる義理はねぇよ」

「でも…」

「ま、そのイカしたツラ拝めて最高におもしれぇけどな」

「…うるせーよ」