「…生きてるって大げさだな!」

「だって本当のことだもん!森野がいなきゃ、わたし今ここでこうしていられなかった!」

「…バカな奴。っておい、思いっきり立ち入り禁止って書いて…」

「いいから早くっ!」

「お、おう」


たじろぎ気味の森野を尻目に、窓から屋上へ侵入。


わたしったらまだ数回しか来ていないのに慣れたもんだわ。


深瀬くんは…、いた!


良かった!いつものベンチに横になってる!


「逢川、深瀬の奴、ほんとにここに」

「あそこ」

「え…」

「あのベンチにいるよ」

「…さんきゅ」


一言告げ、森野は深瀬くんに近づいていく。


わたしはここにいるべきではないとわかってはいたけれど、どうしても気になり陰に隠れ様子を窺う。


すみません神様!盗み聞きなんて!どこまでも最低な女ですわたし!


でも!


ここで黙って去れるほど大人じゃないんですよ!すみませんすみませ…


「深瀬」

「…なんでお前がここにいんだよ」

「昨日はありがとう」