「今日も昨日もありがとう!制服、本当に助かったよ!まさかここまで気を利かせてくれるなんて思ってなかったから、すごく嬉しかった!」

「別に」

「ていうかダーリンがそこまでわたしのことを考えてくれるなんて思わなかった!」

「は?!」

「やっぱりダーリン、なんだかんだ言って優しいよね!大好…」

「だっ、黙れ!いいから早くしろっ!」

「黙れって、ひど…!」


深瀬くんが手早くヘルメットを装着する寸前。

その一瞬で、頬が赤く染まっているのが見えた。


…照れてるんだ。かっ、可愛いーっ!


「てめえ、置いてくぞ!」

「ごめんごめん!今乗る!」


急いで飛び乗るとバイクは走り出す。

空き地に着くまでの間、今日の深瀬くんと昨日の庄司さんの言葉を思い返していた。


ちょっとだけでも距離を近づけて、あわよくば深瀬くんの心の傷を見つけられたらいいな。

じゃないと、どんな風に力になれるかわからないもんね。


わたしが踏み込んでいい問題じゃないかもしれないけど、昨日のお礼も含めて深瀬くんの為に頑張りたい。


って、頑張ってどうにかなるもんでもないよね。でも頑張るしかないよね。


なんてぶつぶつと考えていると程なく到着。学校に向かい二人で歩き始める。