「気分を悪くなんてしません。心配しなくて大丈夫ですよ。でも深瀬くんはそれを望んでいないかもしれないです」

「そうでしょうか？圭悟様からこのようなお申し出をお受けすることがなかったもので、圭悟様にとって逢川様は大きな存在なのかと」

「そ、そんな…」


だとしたら、ものっすごく嬉しい！！

深瀬くん、少しは心を開いてくれているのかな？


「圭悟様は対人面に関しては苦手分野でございますので、ぜひ今後ともよろしくお願い致します」

「はい！わたしでよければ！というかこちらこそ！」


庄司さんたら内情を知らないとはいえいい人すぎるわ！わたしは鬱陶しがられている立場だってのに！


「…安心しました」

「安心？ですか？」

「圭悟様と親しくなる女性はどんな方かと、逢川様にお会いするまでは少々不安でございましたが、貴女のような方で安心致しました」

「そ、そう言ってもらえると嬉しいです」


庄司さんたらどこまでいい人なの…。


「ぜひ圭悟様の心を癒していただければと思います」


─心を、癒す？


「心を癒すだなんて、深瀬くん、なんだか…」

「圭悟様の心の傷は浅くはありませんので、時間がかかってしまったりと大変かとは存じますが、逢川様は圭悟様にとって、きっと今一番の心の支えでしょう」