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「すみません庄司さん。ありがとうございました」


着替え終えたわたしは、言われた通り仕切りにある小窓を開けた。


「いいえ。サイズは大丈夫でしたでしょうか?」

「はい。本当にありがとうございます。なんてお礼を言ったらいいか…。あ、お金はちょっと待ってもらえませんか?必ず返しますので」

「いえ、結構でございます。お気になさらずに」

「そんなわけにはいきません!だめですだめです!わたし一生かかっても必ずお返しします!」

「…そうですか」

「あ、あれ?もしかして笑ってます?」


笑いを堪えているように聞こえたんだけど、笑われるようなことなんて言ったかな?


「申し訳ありません。あまりに可愛いらしくてつい」

「え?!今のどこが可愛いらしいんですか?!」

「ではその代わりと言ってはなんですが、これからも圭悟様と仲良くお付き合いいただけますでしょうか」


あ、わたしの問いかけはスルーですか。


「言われなくてもわたしはそのつもりでいますよ。わざわざそんなことを言うなんて、庄司さん相当深瀬くんを思っているんですね」

「それは勿論でございますが、圭悟様が女性の方と親しくされることが初めてということもございましたので、差し出がましくも私からお願いしてしまいました。気分を悪くされましたら申し訳ありません」