「まぁ、北栄の中での強さはトップだからな。卒業生から指名されたぐれーだし。でも深瀬にやられるぐらいだからな~」

「ダーリン、本当に強いんだね…」


これはもう神の領域じゃない?すごいとしか言えないわ。不良界の内情は全然知らないけど、不良高校のトップに勝つくらいだもんね。


「あんな馬鹿じゃなきゃもっとやりがいがあんのに。赤城に止められなきゃ息の根止めてたな」

「そこまで逢川に惚れてんのか」

「ぶっ!!」

「きゃーっ!」

「逢川だから澤田にキレたんだろ?」

「ちがっ…」

「他の女なら気にも止めねーだろうが」

「ふざけんな!んなわけね…」

「おい。いい加減、奴ら目ぇ覚めたらめんどくせーから帰るぞ」


ニヤニヤしてとにかくからかおうとする緑川くんに、赤城くんは若干呆れているよう。


吸い終えた煙草の火を消し立ち上がる。


「そうだな!早く行こうぜ!」


金沢くんも後に続けと言わんばかり。それに対し深瀬くんは何か言いたげで顔は真っ赤…。


…もうちょっとわたし、深瀬くんが照れてるところとかからかわれているところ、見たかったな。めちゃくちゃ可愛いんだもん。


なんて今それどころじゃないか。

…本当にそれどころじゃないわ。またあんな目に遭うのはごめんだわ。わたしったら、何考えてんだか。