ドアが開き、目に入った三人の姿。

制服は乱れて汚れていたり、顔に怪我もできているけれど、雰囲気は確実に明るい。


皆無事で良かった!金沢くんの言ってた通り、あの人数相手に三人の勝利だったんだ!すごい!


そして深瀬くん、澤田をやっつけてくれたのね!嬉しいっ!


「お、逢川。待ってる間、金沢に変なことされなかったか?」

「樹!ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!」

「緑川くん…。されるわけないでしょうが」


せっかく深瀬くんと会えてテンションが上がったのに、なんてことを…。


「わっかんねーぞ?金沢、バカだからな」

「てめー、殴られてぇのか?」


からかいながら笑う緑川くんに金沢くんはご立腹。

そりゃそうだよね。ここまでわたしを連れてきてくれて手も解放してくれたのに、こんなこと言われちゃね。


三人は教室に入ると、各々で椅子に座ったり、机に腰掛けたりして一息つく。


「赤城、俺にもよこせ」

「持ってねぇのかよ。ったく、しゃーねーな」


赤城くんと緑川くんが煙草を取り出すと、深瀬くんは隣にいた赤城くんから煙草をもらい、三人は吸い始めた。

窓は開いているものの教室中はヤニ臭満載。


あ、深瀬くんが煙草吸ってるとこ初めて見たな。こういう時、吸いたくなるもんなのかな。

なんだか不良男子四人に囲まれるのって微妙な居心地だなぁ…。