「──」

「…」


わたしの背中、丸見えか。

恥ずかしいけど仕方ない。


「…咲良。お前、深瀬といんのやめろよ」


解き終えると、金沢くんは後ろを向いて小さく呟いた。


久々に解放された手で、わたしはそそくさと赤城くんの制服を着る。


「え?どうしたの?急に…」

「こんな目に遭っても、まだあいつのこと好きでいられんのかよ」

「…」


…『こんな目に遭っても、まだ』…。


「俺だってお前を守ってやりてーけど、常に一緒にはいられねーから絶対守るってことは約束できねーし。あいつら、今いる北栄のくそ共を全滅させるだろうけど、奴ら狂ってっからまた何かやらかすかもしんねー。だから今のうちに…」

「にしても弱ぇな!」

「「!」」


教室の外から話し声が聞こえ、金沢くんと目を合わせる。


もしかして──。


「澤田と晋ぐらいだな。まともにやり合えんのは」

「やっぱ薬でいかれてっからな。強くなるどころか弱くなるなんてマジでただのバカだろ」

「深瀬くん!赤城くん!緑川くん!」