む、ということは、あの時近くに深瀬くんがいたってことだよね?

ということはということは、わたしのこと、ちゃんと待っててくれてたんだ…!


「それ聞いた瞬間、深瀬の奴血相変えて走り出すもんだから、もうその時点で深瀬は澤田で決まりだろ?だから後追っかけながら、俺らで任務を分けたんだよ」


血相変えて?まさか、わたしを心配して…ではなく、澤田が調子に乗らない為か。


これもわたしが調子に乗ったらいけませんね。


「なるほどね。深瀬くんが血相変えて走り出すなんて、見たかったな」

「あれはマジでキレてたな。あの深瀬はやべぇわ。本気で澤田、殺すんじゃねぇ?」

「ええ?!嘘!」


冗談でしょ?!ちょ、さ、殺人とか、さすがに勘弁してください深瀬くん!


「そうなったらいくらなんでも二人が止めるだろうけどな。あんだけ深瀬がキレてんの、滅多に見ねー」

「そこまで…。何にそんなキレてたんだろ」

「それは…って、わりぃ!今解いてやっから!」

「ん?え?ああ」


そういや後ろ手に縛られたままだったわ。そのせいで着られなくて、赤城くんの制服、ただ被ってるだけだった。


「バカだな俺!マジでごめん!」

「大丈夫だよ。大げさだよ~」

「いやマジで…、──っ!」

「ん?」


解こうとしていたはずの金沢くんの手が止まる。

なんで…あ。