「ずりぃなー、深瀬の野郎。良二も樹も。まぁ俺には咲良を救出するっつー、大事な任務があったからしゃーねーか」

「任務?任務とかいう役割があったの?」


それはまた正義のヒーローみたいじゃないですか。かっこいいな。


「ああ。俺は咲良救出。良二と樹は雑魚処理。深瀬は澤田。深瀬の場合はハナからブチギレてて、澤田しか眼中になかったけどな」

「へぇ、深瀬くんがブチギレ…。あれ?そういえば、何でここがわかったの?というか、この状況…」


助けに来てもらえてあまりのかっこよさに感激してたけど、不思議な点がいっぱいあるよ。


まさか本当に正義のヒーローみたく、襲われている人を察知するなんてことはないだろうし。


「咲良のクラスのモリヤとか言うやつから聞いたんだよ。咲良が車で連れ去られたって」

「んえ?モリヤ?誰それ…あ、森野?森野じゃない?」

「あー、そうなのか?深瀬がモリヤっつってたからよ」

「ふ…深瀬くん…。森野を覚えていないのか…」


まぁそんな接点ないしね…。


「てててていうか、森野、無事だった?!」

「あ?無事っつったら無事だな。結構ひでぇ有り様だったけどな。血はそんな出てなかったけど、顔面かなり腫れてた気がする」

「──!!そんなに…!!」


森野、ごめん──!!!


「俺らが深瀬と会って少ししたら、そいつがヨロヨロしながら歩いてきたんだよ。んで深瀬を見た瞬間、咲良を助けてくれって」

「そうなんだ…」


じゃあ皆が来てくれたのは森野のお陰なんだ。

ありがとう森野。どんなに感謝しても全然足りない。

お礼とお詫び、しないとなぁ。