──わたし、これで死ぬのかな。


ちょっと呆気ない終わり方だな。


できることならもう少し、恋の楽しさを知ってから死にたかった。


できることならもう少し、生きることの楽しさを知ってから死にたかった。


でも最期に会った人が深瀬くんで良かったかも。


お父さんお母さん、友達より、深瀬くんの方がわたしには良かったと思える。


全然仲良くなんてなれなかったけど、死に際にダーリンといれて良かった……。


「おい」


お、遠くの方からダーリンの声が聞こえる。


こんな時に幻聴が聞こえるなんて、わたし深瀬くんのこと、結構好きになれてたのかも。


「おい、マジで死んでんのか?」


あらっ、さっきより近く聞こえるよ。


もしかして天国から迎えにきてくれたのかな?って、深瀬くん死んでないって。


「…んなわけねぇか。笑ってやがる」