「お前らが信じようと信じまいとどうでもいい。つーか何の用だよ暇人が」

「何の用?わかってんだろ?あの女に手を出されたくなきゃ…」

「─っ!てぇっ!」

「──!」


リアルにバキッという音が聞こえそうなくらい、深瀬くんの拳は激しく一人の頬にあたり、その男は反動で尻もちをついた。



「てめぇ!」

「やりやがったな!菊池!」

「おう」

「──っ!」


背後にいる男は返事をしたと同時に、更にわたしの首を締め付ける。


身長差があるせいで、わたしの足は地面から離れた。



──息、が、でき、ない…。



苦しい苦しい苦しい苦しい



次第に感覚がなくなっていき、意識は遠のいていく。