「俺一人相手におめぇらカスが虫みたく湧いてくっからだ」

「んなこと言ってられるのも今のうちだ」

「あ?なにが…」



──え。



「お前の女、どうなってもいいのか?」

「─っ…」


気づいた時には遅かった。


四人のうちの一人が、後ろからわたしの首を腕で締め上げる。


そして勢いのまま立ち上がらせられた。


また首を攻められ苦しさは倍増。

抵抗する気力も、助けを求めることもできない。


相手の腕にしがみつきながら、どうにか視界に深瀬くんを入れる。

その後ろ姿からは、どんな表情をしているのかわからない。


にしても深瀬くん、振り向きもしないって…。


「何言ってんだ。女なんて知らねぇよ」

「ぶっ、もっとマシな嘘つけっつーの」

「んな嘘つくか」

「誰が信じるかっての、ばーか」