「…男はモテると嬉しいもんなのか」

「え?それは人によると思うけど、大概の男子は嬉しいんじゃない?モテないよりはモテた方がいいもの」


仏頂面で何か考え込んでいるダーリン。何をそんな悩むことがあるのでしょうか。


「…俺はかっこいいのか?」


ぶっー!!


奇想天外な発言に、口に含んでいたご飯を吹き出しそうになる。


「げほっ!ごほっ!─だ、ダーリン、不意打ちにそれは、げほっ、き、きつい」


自分のかっこよさに気づいてないのかダーリンは!

信じられない!しかしそれを人に訊ねるか?!

いやでもそこがまた可愛いんだけどっ!


「は?何してんだ。飲み物なんもねぇのか?ったく、ほら」


ダーリンが乱暴に自分のペットボトルのお茶を差し出してくれた。


優しいな。 


と、思ったのに。


「あ、ありが」

「─っ、だめだ!」

「へ?」


差し出されたお茶を、もの凄い勢いでひっこめられた。


「これは俺のだ!」

「う、うん。知ってる」

「俺以外はだめだ!」

「え?なによ。それなら初めから言わなきゃいいのに…」