「ほんとかよ」

「ほんとほんと!」

「ならちゃんと俺の目を見て言え」

「え?!」


俺の目…って…。


「信用ならねぇ。俺の目を見て言えよ」

「そんなひど…」


──。


…改めて深瀬くんの顔に目を向ける。


睨むわけではなく、真剣にわたしを見据える彼の表情。凛とした眼差し。


昨日新しく増えたであろう傷やあざも、気にならないくらいかっこいい。


その顔を前にすると、魔法にかかったように言葉をなくしてしまう。


「正直に言えよ」

「…し…知らな…」

「嘘ついたら帰り、待ってやんねぇからな」

「─っ、いや!待ってて…」


えっ?!帰り?!


「だから正直に言え」

「ちょちょちょちょちょっと待って!か、帰り、ダーリン待っててくれるの?」


まさかまさか、わたしを送る為に反省文を書いてる間、待っててくれるってこと?!


「帰りが遅くなる上に一人だと確実に狙われるだろうが。お前がどうなろうと知ったこっちゃねぇが、澤田が調子にのるとうぜぇからな」

「…わぁ…!嬉しい…!」