「──。」


…え…。


深瀬くんはそんなわたしを見て目を見開いた後、顔を曇らせ手を離した。


呼吸ができるようになったわたしの体は、何度も必死に大きく息を吸い込む。


な、何?深瀬くんのこの反応……。


「…やっぱおかしいこの女。狂ってやがる」


そう言ってわたしから離れると、深瀬くんはまた背を向ける。


「…ま…まって…」


思うように体が動かず、気力でどうにか起き上がろうとした。


その時。


「うーわ、めっずらしー。深瀬、女といるぜ」

「マジかよ。信じらんねぇ」

「激レアじゃん?つーか深瀬に女なんていたのか?」

「こりゃいー時に来たな。前の借り、きっちり返せそうだ。って、なんでこいつこんなとこで座ってんだ?」



昨日とは違う、でもあの信号機三人組と同じ制服を着た男子四人組が、深瀬くんの前に立ちはだかった。


なんとか上半身だけ起こしたわたしは、ぼんやりとする頭を抱えながら彼らを確認した。