──あの後、ホームルームには間に合わないと潔く諦め、短い休み時間の間に教室に向かった。


いやー、恋バナって楽しいね!聞いてるだけでも楽しかったけれど!

参加してみると思った以上に楽しいっ!女子高生をめちゃめちゃ満喫してるっ!


なんて深く思いながら、三人で朝からハイテンションで廊下を歩いていると、どこからともなく視線を感じる。


う~ん。これが噂になったものの宿命なのね…。


わたしが噂になっているのは本当なんですね。こんなに視線を感じるなんて…。


「気にすんな咲良!」

「そうそう!別に悪い噂ってわけでもないし!」

「そ、そうだよね。気にすることないよね」

「ないない!堂々としてな!…って、なにあの人だかり!」

「「え?」」


春奈が指さす方に目を向けると、わたし達の教室の周りに女子がやたら群がっている。


「なになに?」

「皆廊下の窓から教室の中、覗いてない?」

「そしてなぜか女子ばっかり…」

「きゃーきゃー言ってるね。一体な…」

「やっぱり深瀬くん、かっこいい!!」


…え?


い、今、なんて…。