「嘘!!」

「前の席ならそりゃ気づくわ」

「嘘!!」


前の席、気づくか?!こそこそしてたのに!!


ちょっとそれはよくないんじゃないの?!や、悪いことをしてるつもりなんて微塵もないけど、でもでもなんだか森野に悪いことをしてる気分…。


「だからそれより二人はどういう関係なのよ!今はそこが大事なの!」

「そこって…言われましても」


ああ、こうなるなら先に自分から言っておけば良かった。面倒にもほどがある。


秘密の恋うんぬんじゃなくなっちゃったな。

わたしの恋路、迷路のように路頭に迷ってるわ。


「なに、言いにくいの?」


言葉に詰まるわたしの顔を、二人は真剣な表情でのぞき込む。


「ん~…」


真実を伝えるべきか、軽く大ざっぱに話すべきか、ねじ曲げて嘘偽りを作り上げるべきか…。


「あのね咲良。わたし達は軽い気持ちで首突っ込んでるわけじゃないんだよ」

「え?」

「興味本位でただ聞いてるんじゃないの。そりゃ咲良の恋の話なんて初めて聞くから気にはなるけど」

「朝からこの話をしてる人がたくさんいたから、咲良が嫌な思いをするんじゃないか心配で二人で待ち伏せしてたんだよ」


春奈、茉希…。