「…そ、それって携帯電話の意味なくない?」

「意味あるだろうが。家の中でどこにいても出れる」

「それは家電の子機と同じじゃ」

「大して使わねぇからいいんだよ!」

「じゃあわたしとメールしようよ!そして持ち歩こうよ、携帯なんだし!今持ってなくたって自分の番号くらい覚えてるでしょ?」

「知らねぇよ!全部庄司がやったし庄司としか連絡とらねぇ!」

「し、しょうじ?」


…って、誰?まさか…。


「お前は本当にうぜぇ奴だな。これ以上お前と繋がると身が持たね…」

「ねぇ!しょうじって誰?!男の人?!女の人?!どっちでもない人?!」

「は、はあ?!」

「どうなのダーリン!はっきりしてよ!」


浮気の心配はないと思ってたけど、まるで知らないダーリンのプライベート。もしかしたらすでに彼女とかいたり…!


「うるっせぇな!男だ!つーかどうでもいいだろ!お前に関係ねぇだろうが!」


──!!


「よ、良かったぁ…!」


思わず立ち止まり胸をなで下ろす。


心臓に悪すぎですよ…。無駄に心配しちゃったじゃないですか。

にしても連絡をとるのがしょうじさんて男の人だけだなんて、ダーリンの交遊関係は一体どうなってんのかしら。


あの信号機三人組とも、連絡は取り合わないのかな?