「…ダーリン。どこか行くのが嫌なら、一緒に帰るだけでいいの。でもバイクで一人で行かないで。わたし、ダーリンと話した…っ」


喋っている途中だというのに、深瀬くんは掴んでいた胸ぐらを強く押し、わたしを突き放した。


「─げほっ」

「どういうつもりか知らねぇが次はねえ。二度と俺に話しかけんな。殺すぞ」


そう冷たく言い放ち、背を向け歩き出す。

背中までも近寄るなオーラ全開。


でも甘いよ深瀬くん。そんな脅し、わたしには通じませんから。


息を整え、彼めがけて猪突猛進!!


「ダーリン!!」

「──!!」


予想もしていなかったのか、後ろから抱きついたわたしに固まる深瀬くん。


深瀬くんの背中、おっきくて硬い。脂肪が全くないのか?!これが強さの秘訣?!


同い年とは思えないっ!素敵!なんだか感動しちゃう!


「逃げようとしたって無駄だよ!離さないから!」

「てめぇ!離せ!触んな!気味悪ぃんだよ!」


無理やりわたしの手を離そうとする深瀬くん。わたしは必死にしがみつく。