「…てっめぇ」

「わっ!この竜田揚げおいしー!」


こいつ、たまにすっっっげぇムカつく発言をしやがる。俺を怒らせてぇのか?


…にしても。その頬は虫歯レベルじゃねぇだろ。


口の中いっぱいに食いもん入れやがって、嘘だってバレバレだっての。


「…お前、虫歯じゃなかったのかよ」

「ん?」

「すげぇ勢いで食ってんな」

「…あ~…。よく、ご存知で」

「殴られたみてぇな腫れ方だな」


逢川の箸を持っていた手が止まる。


「…そうなの!ちょっとねー!にしてもさすがだね!ケンカ慣れしてる人は違うね!」

「澤田絡みか?!」

「え?!」


あいつは根性ねじ曲がってっからな。女相手でも関係ねぇ。

あの野郎、ぜってぇ許さ…


「ち、違う違う!これは…」


違う?!他に誰がいんだよ!


「誰にやられたんだよ!」

「──」


弁当の存在も忘れ、俺は強く逢川に問いかけた。

逢川を殴る奴なんて、澤田絡みしか考えられね…


「…お父さん」

「……は?」


おとう、さん?