こいつは─っ!!

ほんとにハレンチな奴だな!男相手にセクハラ発言だなんて!


「その反応、図星?」

「ちがっ…!」

「なんだ、待ってたならすれば良かったな」

「いい加減にしろ!!失せろアバズレ!!」

「──っ」


─また、やっちまった。


感情を抑えきれず、気づいた時には逢川の胸ぐらを掴んでいた。

睨みつける俺に、逢川はなぜか微笑みかける。


「…」


そのだらしない笑顔に心はほだされ、強い後悔と共に力が抜けていく。


「…ダーリ…」

「そうじゃねぇだろ」

「…え?なに?」


手を離し逢川に背を向け、自分に叱咤し気持ちを落ち着ける。

心の中で大きく息を吐いた。


「…」

「ダーリン?どうしたの?」

「…お前、なんでそんなに俺にかまうんだ よ」

「え?なんでって、好きだからでしょ」

「なんで好きなんだよ」

「…き、気づいたら好きになってたの」