「そうだね。ちょっと茉希、わたしトイレ…」

「咲良!あたしとペア組もう!」

「え?うん、わかった。てかわたしトイレ…」

「やだ!咲良はわたしとだよ!」

「え?あ、そうなの?てかわたしトイレ…」

「何言ってんの!だめだめ!咲良はわたしと!」

「え?ちょ、わたしトイレ…」


を口実に深瀬くんをストーキングしようと思ったのに、結局そのまま体育館に連行されてしまった。


これ、リアルに漏らしたらどうすんだ!こんちきしょう!


なんて心の中でぶつぶつ言うものの、授業が始まると結局バドミントンに夢中になってしまった。


う~ん、まだまだだな、わたし。


まだまだ深瀬くんへの好き度が少ない。もっと深瀬くんのことを考えるようにしなきゃ!


「逢川、お前バドに命懸けすぎ」


女子のラケットを用具室に片付けていると、明らかにわたしを小馬鹿にした顔の森野がやってきた。

こいつも片付け役か。


「当たり前でしょうよ。バドには命を懸ける価値がある!」

「すっげぇ顔で試合してたもんな。女がする顔じゃねぇよ」

「んなこと言ってないで早く片付けなよ。わたしがあんたの顔にスマッシュをキメる前に」