「おーい」


……。


「──」
 

……。


……な、なんだ?


頬に何か柔らかいものが当たる感覚が…。


──ま、まさか…!!!!!


「…ダーリン?」

「オ、オマ、イ、イマ、ナ、」

「…え?」

「オ、俺ニ、ナ、何ヲ」

「何って、ほっぺにちゅーしただけですが」

「──!!」


う、うそだろ?!?!?!


「…え?」

「お、おま、こんなことして、ただですむと」

「ダーリン、もしかして初めて?」

「──!!」


あっ、あたりまえだろうが!!んなことだれがするかっ!!


「ね、ねぇダーリン、試しにもう一回してもいい?」

「──!!!ふざけんなばーか!!二度とすんな!!失せろ!!」

「ちょっ、ダーリン?!」


立ち上がり大声で叫んだ俺は、顔も体も熱く火照り、屋上から走り去る。


ああああありえねぇありえねぇうそだうそだじょじょじょじょうだんだじょうだんだゆめだゆめだこれはわるいゆめだ!!!!!


ひたすら呪文のように、そう唱えながら。