「…みんなの前でダーリンって呼ぼうかな」


…うぜぇな。


「…みんなの前でダーリン大好きって叫ぼうかな」


…マジでうぜぇな。


「バイクで来てること、先生に言おうかな」

「…」


あまりの面倒くささに、俺は無言で目を向けることもなくその紙を投げ返す。


そしてそのまま眠りについた。




─────



「ダーリン!」


放課後、学校を出てすぐに逢川が駆け寄ってくる。


今日も付いて来る気かよ。懲りねぇな。


「ね、無視しないでよ!せっかく隣の席になれたんだし!」

「…ストーカー」

「ストーカーでもなんでもいいからさ、手紙の返事くらい書いてくれても良くない?それどころか見もしないなんてひどいよ!」