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「おい深瀬~。なんでお前、北栄に行かねーんだよ」

「なんであんな不良の掃き溜めみてぇなガッコに行かなきゃなんねーんだよ」

「根っからの不良がなに言ってやがる」

「俺は別にそんなんじゃねぇ」

「裏切り者ー!自分だけ共学にしやがって!」

「ばっかじゃねぇ。くそどうでもいい、くだらねぇ」


赤城、緑川、金沢が各々に俺に口を出す。


一人暮らしになってから、無駄にこいつらが部屋に来るようになった。


鬱陶しいと思いながらも、実際それは俺にとってかなりありがたいことだった。


この部屋に一人でいると、あの壊れた母親の姿がフラッシュバックされ、頭から離れなくなる。


自責の念が俺を取り囲んで、息ができなくなっていく。


そんな時にこいつらが、酒を持って騒がしくここにやってくる。

どんなにケンカをして殴り合い傷つけ合っても、こいつらは懲りずに俺の所に来る。


なんでこんなに馬鹿なんだよ。


そう思いつつも助けられている事実。どこかで感謝している自分。


でもきっと、いつかは離れていくのだろう。