うつぶせの俺を、三人は仰向けに反転させる。


「─ってぇ…」

「頭か?!」

「やべぇな。樹、救急車呼べよ」

「おう」


さっきカツアゲしてた時は瞬く間に消え去ったくせに、今はまるで本気で心配しているかのような顔の三人。


こんな時なのに笑えちまう。


「やっぱ頑丈だなー」

「普通は気絶するとこだよなー。死なねーようには加減したけどよ」

「ケンカ慣れしてっとこんなもんだろ」

「「「!!!」」」


──少しマシになった視力。


耳障りな声。薄汚い笑みをこぼして現れたのは、さっき思い浮かべた連中だった。

予想通りすぎて、また鼻で笑いそうになる。


俺を殴ったであろう金属バットを、これ見よがしに携えてやがる。


「てめぇらだな!深瀬やりやがったのは!」


一番に吠えかかった金沢。弱ぇくせに怯まねぇ、ある意味すげぇ奴だ。