「それもどうせあいつらが勝手に金出して解決すんだろ」

「…ったく、お前は…。」



──俺が警察沙汰の問題を起こす度、二人は頼んでもいねぇのに何も言わず金でもみ消す。


それで俺を救った気でいるのか。


…んなわけねぇな。全部自分らの為だろ。世間体ばっか気にしてっからな。


んなことしなくたって、さっさと籍を抜いて俺を切り捨てたらいいのに。


親のつもりなんてねぇくせに。


犯罪まがいのことをしたって怒りもしねぇ。つーか、あいつらと顔を合わせたことがいつだったかすら思い出すのが難しい。


「あいつらが好きでやってんだ。年少だろうと鑑別だろうと俺はどうだっていいんだよ」

「おい。俺もお前の相手ばっかすんの飽きてんだよ。大人しくしとけよ。これ以上俺の白髪を増やすな」

「知らねぇよ、お前の白髪事情なんか」

「この野郎。お前のせいで俺の白髪がどれだけ増えたと思ってんだ?」

「ならほっとけっつーの」

「まったく…。にしても遅いな。いつもならもうとっくに迎えがきてるとこだろ」


…あいつらの秘書がな。


迎えに来るのは父親でも母親でもない。


あいつらの秘書。俺とは赤の他人。


ま、言ってしまえばあいつらだって赤の他人も同然だ。