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「え~っと?お前、何度目の補導だ?俺の仕事を増やしたくてわざとやってんだろ」

「んなわけねぇだろタヌキ親父。お前なんか興味ねぇよ」

「ったく素直じゃねぇな。俺に相手してほしいんだろ?」

「ばっかじゃねぇ。サツも暇だな。毎回俺の相手して、他に仕事ねぇのかよ」

「馬鹿はお前だ。お前の相手すんのが俺の仕事なんだよ」

「やっすい仕事だな」

「うるせーよ。調書上げんのだって面倒なんだぞ。んで?今回はカツアゲ?お前んち、金持ちなのになんでカツアゲなんかしてんだよ」

「俺じゃねぇ。あの馬鹿三人だ。俺はやってねぇ」

「やってねぇっつってもなぁ。一緒にいたんだろ?」

「あいつらが勝手に俺に付きまとった挙げ句やり出したんだよ。俺は関係ねぇ」

「お前は毎回逃げんの下手だよな~。この間の盗難車も、盗んだのは黄色で運転してたのがお前だったから捕まっただろ。赤と緑と黄色はものの見事に消え去りやがる」

「弱ぇから逃げるしか脳がねぇんだよ」

「ぶっ!お前らおもしれぇよな!普通は仲間なら庇い合うだろうが!でもお前等は毎回誰かのせいにして己は逃げようとすんだよな!」

「仲間なんかじゃねぇからな」

「あっ、そーかい!まーいい。お前は鑑別入ったところで親がすぐ金払うから意味ねぇし。保護観察も意味ねぇし。そろそろ少年院行きだぞ。もういい加減にしとけよ」