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──汚ぇんだよ。


俺のような人間は、施設にいた方が良かったんだ。


元より捨てられていた身。


生まれた時から、必要とされていなかった。


そんな俺が幸せでいるなんて、幸せでいたいなんて、望むことすら間違いなんだ。


形だけの親がいたって、それは上辺だけの飾りたてた幸せ。本物じゃない。


それでも確かに、幸せだと思える瞬間は数え切れない程にあった。けれど、全て作り物だった。幸せだと思っていたのは、俺だけだった。



……親がいることの不幸せ。親がいないことの不幸せ。



比べることなんてできない。でも俺は、きっとそのどちらも当てはまるのだろう。


これまで幸せだった分のしわ寄せが今きたってとこだ。



──俺には、誰もいらねぇ。