『本物の親は捨てたりなんてしねぇけど、偽物はイヤになったらすぐ捨てられんだ!偽物は本物になんてなれねぇからな!』



…イヤになったらすぐ捨てられる。


んなわけねぇと思ってはいても、それは俺の勝手な思いこみで、実際今日よりも大きな事を起こしていたら、こんな風に優しく受け止めてくれていたのだろうか。


二人は何があっても、俺を見捨てないのだろうか。


小さな不安は渦を巻いて、見る見るうちに大きくなっていく。


俺は養子なんだ。

二人と、血は繋がっていないんだ。本当の親子じゃない。


──それなら、二人はどこまで俺と親子でいてくれるのだろうか。


馬鹿げた疑問が頭を巡り、それは、ちょっとした好奇心となんら変わりない形で始まる。




──────



「おい、今ガンつけてたな」

「そんなことしてない!してないよ!」

「嘘つきはお仕置きしねぇとな」

「本当にしてな…!う゛っっ、げほっ…」

「ケンカ売ってきたのはそっちだろ?早くかかってこいよ」

「ちが…っ!やめて…っ!」