何が言いてぇんだよ。俺が例え養子だったとして、お前に迷惑でもかけたか?


「偽物は偽物なんだ!お前みたくムカつくやつ、あんなすげぇ金持ちの家からそのうち捨てられるに決まってる!」

「…は?…ばっかみてぇ」


だいたい、『捨てる』ってなんだよ。ゴミでもねぇのに。


「本物の親は捨てたりなんてしねぇけど、偽物はイヤになったらすぐ捨てられんだ!偽物は本物になんてなれねぇからな!」

「そんなわけねぇ!!」

「うわっ!」

「きゃーっ!!」

「先生っ!先生ーっ!!」

「早く先生!圭悟くんが…!」



──そんなわけねぇ。


いつだって、俺の味方でいてくれた。


何をしたって、いつも笑ってくれていた。


優しく諭して、どんな時も守ってくれていた。


養子だなんて、本物じゃないことなんて忘れるくらい、温かくて心地よくて幸せで、俺は心から家族だと思っていたんだ。


偽物なんかじゃない。


二人は紛れもなく、俺の父親と母親なんだ。血の繋がりなんてどうだっていい。


父さんと母さんを悪く言う奴は、どんな相手でも許さねぇ。