わたしにはそうとしか思えない。そうだよね?

そうだよね!


またどこかへ向かい歩いていく深瀬くん。


怖いと噂だった深瀬くんが実はいい人なんだと知り、テンションが上がったわたしは、彼目掛けて走り出した。


「深瀬くん!!」


周りに人がいないのを良いことに、大声で呼んでしまった。


立ち止まり振り返った深瀬くんは、わたしを怪訝そうな顔で見る。


「わたし、同じクラスの逢川咲良!知ってる?」

「…知らね」


うお、三文字で返してきたな!しかもものっ凄い仏頂面!そして気にも止めずまた歩き出すとは!


ふんっ!こんなんで負けてられるか!


むしろ面白いじゃないのっ!


「じゃあ覚えて!同じクラスの逢川咲良!咲良って呼んでね!あ、なんならハニーって呼んでも…」

「うっぜぇな」

「そうなの、わたしうざいんだよね。よく言われる」

「とりあえず黙っとけよ」

「あ~、残念ながらそれは無理なんだよね。まずわたしがなぜここにいるかと言うと」

「うるっせぇんだよ!マジでキレるぞ!」