そんなわたしを見て安心したのか、春奈は手を離した。


「ご飯食べれんの?」

「なんとかね!」

「痩せちゃうじゃん」

「だから食べてるって!」

「豆腐とかプリンとか、噛まなくてもいい物だけじゃないの?」

「んなことないって!しっかり食べてますから!」

「ほんとー?ならいいけど…。勝手に痩せたら許さないよ」


おい。優しいんだか優しくないんだかわかんないな、全く!



──その後も、会う人会う人みんなってくらいに、湿布で隠しきれない頬の腫れをつっこまれた。


ふざけながらもみんな心配してくれる。


さすがのわたしも誤魔化すのが辛くなってくるよ。みんなわたしのことなんてほっとけばいいのに。……優しさが心に染みる。


「あれっ?咲良、どこ行くのー?」

「先食べてて!保健室行って痛み止めもらってくるから!」

「わかったー!」


昼休み。

歯が痛い演技をしながらご飯を食べるのがしんどいと思い、お弁当を持って屋上へ移動することに。


ごめんね、みんな。