ぐっと手を引かれ、深瀬くんの背中に思いきりぶつかってしまった。


けれどそんなことなど気にも止めず、バイクは軽快に走り出した。


今日のダーリンったら、積極的っ!


…って…。わたしまだ寝ぼけてるのかな。それとも夢から覚めていないのかな。


朝からダーリンに会えるなんて。

朝からダーリンに抱きつけるなんて。


嬉しくて、夢じゃないことを確認したくて、更にぎゅっと抱きつく。


「んもう!ダーリン大好きっっ!!」


車道を走る中、感極まる心を耐えきれず大声で叫んだ。


朝からなんていい日なの!


恋愛、万歳っっ!!





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「ダーリン。朝は髪、立ててないんだね」


バイクが空き地に到着し、学校へと二人で歩みを進める。


いつもはスーパーサイヤ人の深瀬くんの髪型。今は重力に従い、直毛の髪の毛が大人しく下を向いている。


そのせいもあって迎えにきてくれた時、誰かわからなかったんだよね。