「…だ、ダーリン?」

「だから早くしろ。行かねーのか?」


信じられないっ!


横切ろうとしたコンビニの駐車場に、ヘルメットを片手にバイクに乗ったダーリンが!

それもわたしを待っていてくれたかのよう!


幻かと無駄に何度も瞬きをしてみる。

しかし依然変わらずダーリンが仏頂面でわたしを見ている。


「い、行くけど…。もしかして、わたしを迎えにきてくれたの?」

「いらねぇのか?それならもう二度と…」

「いりますいります!!もちろんいります!!」


慌ててヘルメットを受け取り頭に被せる。


──これ、奇跡?


とてつもなく信じがたい夢かなにか?


まさかまさか、深瀬くんが家まで迎えにきて、その上わたしを待っていてくれたなんて…!!


若干夢見心地でヘルメットを装着し、急いで深瀬くんの後ろに乗る。


バイクのエンジンがつき、失礼しま~す、と控えめに深瀬くんの腰に手を回す。


「死にてぇのかよ!」

「わっ」