…話の流れからすると、きっと帰ってすぐにまた出掛けようとしたお父さんに、お母さんは一緒にご飯を食べようと言ったんだ。


それでお父さんがいらないとかなんとか言って、お母さんが「誰とご飯食べるのかしらね」なんて軽く嫌みっぽく言ったんでしょ。


結果、今の状態に。


…なんて、リアルにわたしの想像通りだったとしたら、本当に馬鹿だと思う。

ただの空想であってほしいと切実に願う。


「せっかく人が機嫌よく帰ってきたってのによ！そんなに殴られてぇのか？！」

「違っ…！わたしはただ、たまには三人でご飯を食べようと…」

「馬鹿か！てめぇと飯食って何がおもしれぇんだよ！」

「そんなこと言わないで…」

「俺に口答えしてんじゃねぇ！！」


お父さんの手が上がる。平手じゃない。


──やばいっ！！


「おっ、お父さん！！」


咄嗟に二人の間に割って入り、顔に神経を集中させ笑顔を造る。


なんとか間に合い、お父さんの拳がわたしにもお母さんにも当たらずにすんだ。


ものすごい形相でわたしを見つめるお父さんを前に笑顔で立ち向かうのは、並大抵の気力じゃ無理だ。