深瀬くんはどう思ったかな。


お母さんが登場してからは何も口にしなかった。まぁそうだよね。何も言うことないよね。

とりあえずお父さんじゃなくて良かった。


…また、送ってもらえるといいな。


明日明後日は会えないから、少し近づけた距離が振り出しに戻るかもしれないな。


でも頑張れば、きっともっと近づけるはず。今回近づけたように。


あー、休みなんていらないよ!毎日学校でいいよ!離れてたら何もできな…


……あ。


わたし深瀬くんの番号もアドレスも知らないじゃん!離れてても電話だったりメールだったり、繋がる方法はあるじゃないの!


なんで今まで気づかなかったの?!普通なにより先に連絡先聞くもんでしょ!抜けてるなわたし!


よしっ!休み明けはすぐさま連絡先入手作戦よ!わはっ!やる気出てきた!頑張ろ…



「──」
「──」

──。


一階の方から聞こえる、この音は。


一瞬にして体が緊張感で包まれていく。


耳をそばだて、ゆっくりと起きあがった。