「…え?なに?」


背を向けている上に小さい声で言われちゃ、聞き取れませんよ。


少しずれたリボンを整えながら、ダーリンの背中を見つめる。


「…」

「ダーリン?どうしたの?」

「…お前、なんでそんなに俺にかまうんだよ」

「え?なんでって、好きだからでしょ」


って、何度言えばわかってくれるかな。


「なんで好きなんだよ」


おっと、これは厳しい質問だ。なんて答えよう。


「…き、気づいたら好きになってたの」


これでどうだ!…大丈夫かな…。


「ありえんのかよ、そんなこと」

「あっ、あるある!余裕であるよ!」


あんまりつっこまないでー!


「だからって、なんでもできんのか?」

「なんでも?!ん~、金銭的な部分は正直辛いけど、ダーリンの為なら頑張れちゃうかも!」


いや、お金の面に関しては実際無理だな。バイトができる状態じゃないし、おこづかいも一般的な範囲で決して多くはないし…。


「金じゃねぇよ。そうじゃなくて…」