悪態をつく皆の呆れるような表情に心が癒される。


あんなに忠告してくれたのにその通りになったわたしを、それでも助けてくれるなんて、どれほどいい人達なのよ。


「どうもありがとうございました。命の恩人です。このご恩は一生忘れません」

「いや~、さすがに俺一人じゃやばかったわ。お前らタイミングよすぎ」

「急にいなくなるから探してやったんじゃねぇか」

「つーか、金沢の危険探知、犬並みだな」

「お、たまにはいいこと言うじゃねぇか」

「誉めてねぇし」

「誉め言葉だろ?」

「おめーはとことん馬鹿だな」

「んだと?」


…シカトか?


こんなに深々と頭を下げているというのに、驚くほど華麗にスルーしやがって。


…みんな優しいな。


目から汗が流れちゃうじゃない、こんちきしょー。


「何泣いてんだよ逢川~」


どんっと緑川くんに背中を叩かれる。