─わたしを呼ぶ、大きな声。

ぎゅっと瞑っていた目を開け、飛び込んできたのは、


「か、金沢くん…!」


息を切らして駆け寄る金沢くんだった。


金沢くんが来るなんて、予想外もいいところ。


焦っているような、ひどくわたしを心配しているような、そんな表情をしている彼。


でもその表情も、一瞬で怒りに満ちる。


「お、悠大じゃねぇか」

「なんでここにいんだよ」

「おめーもこいつ目当てか?」


あ…。この人達、金沢くんと知り合いなんだ。同じ学校だもんね。


「…おめぇら何してんだよ」


三人を睨みつける金沢くん。


その雰囲気は、深瀬くんとケンカする時よりも重く、黒い。


さっきはあんなに明るくて可愛い感じだったのに、別人みたいだ。


「何って、見りゃわかんだろ」

「いや、わかんねぇだろ」