頭おかしいよ。狂ってるよ。


…こんな風に軽く平然としているってことは、この人達には日常茶飯事なんだろう。


薬中の人もいるって言ってたもんね。確かにいそうだよ。


…これほどまでに女でいることを悔やんだことはない。


でも、こうなる可能性もあると言われていた。

深瀬はやめろって言われていた。それでもやめなかったのはわたしでしょ。


悔やむことが間違ってるんだよ。


悔やむことが…。


「声出しゃ、わかってるだろ?」


煙草の火が、更にわたしの顔に近づいてくる。


震える体。どうにか抑えようと下唇を噛んだ。


「早く終わらせてやっから。上半身だけで充分だろ」


携帯を持っている男が、制服のリボンに手をかける。


泣きたくなんかないのに、涙が頬をつたう。


「やべー、ヤりたくなる」

「ばーか、抑えろ」

「事を大きくしない為にやってんのに、意味なくなるっつーの」


─わたしの馬鹿。泣いてどうするの。泣くんじゃない。

深瀬くんを好きになることを、後悔なんてしたくない。まだ、始まったばかりなんだから。まだ、これからなんだから…


「咲良!!」