智樹からはまぁ、週イチくらいで電話がくる。
こちらから連絡することはほぼ無い。
だから向こうから連絡がこなければ、たぶん声を聴かない期間が平気で2、3週間ということになるだろう。


「こんなとこいていいの」


クリスマス会が終わり、それぞれが帰路につく。


「鳴海さん」

「彼氏は?」

「こっちのほうが楽しいので」


あたしはにっこり笑って答えた。
鳴海さんは智樹の担当していたエリアを引き継いだため、ここ最近よく話していた。


「相田さん、飲んでもかわらないよな」

「そんなことないですよ。ポヤポヤしてます」


駅へ向かって並んで歩く。
どこのお店でも雰囲気はキラキラなクリスマス。


「…それに、楽しかったので少しさみしくなってたところでした」


みんな帰って。
急に静かになった感じがして。
あんまり楽しかったから、その反動みたいな。
あたしは苦笑いで言った。


「…クリスマス、一人にするような彼氏ってどうなの」

「鳴海さん?」


急に何を言い出したのかと、隣にいる鳴海さんを見た。


「栄から連絡来てる?」

「あ…の…」

「つきあってるんだろ。栄から聞いてる」


いつの間にか立ち止まっていた。
鳴海さんがあたしのことを真っ直ぐに見ている。


「相田さん、オレなら一人にしない。そばにいるよ」


目をそらさなきゃ。
いま、この状況でこんなこと言われたら…。


「…ごめんなさい」


俯いてあたしはようやくそれだけを絞り出した。