その日は家族旅行で京都に来ていた。
大徳寺という綺麗で立派なお寺。
そこにひっそりと小さなお墓があった。
歴史関係の仕事をしていた父が説明するよりも先に、
「ここに…いたのですか?」
何故か口走っていたこの言葉。
誰の墓なのかなんて知らない。
「みつなり…さま」
「お、よく知ってるな」
違う。
知ってるとかそんなものじゃない。
わかってたんだ。
きっと初めから自分自身がわかってたんだ。
この時頭を駆け巡る映像。
どこからか聴こえる銃声。
勝鬨、痛みに耐える苦痛の叫び。
『千歳…』
邪魔するものなんて一切ない。
透き通った声。
私の生きていた前世は血に濡れた世界だった。
誰もが己の信念をかけて戦った。
誰もが護りたいものをその命をかけて護った。
誰もがその一日をただ必死になって生き抜いていた。
そんな時代に自分は一度、生を受けていた。
大徳寺という綺麗で立派なお寺。
そこにひっそりと小さなお墓があった。
歴史関係の仕事をしていた父が説明するよりも先に、
「ここに…いたのですか?」
何故か口走っていたこの言葉。
誰の墓なのかなんて知らない。
「みつなり…さま」
「お、よく知ってるな」
違う。
知ってるとかそんなものじゃない。
わかってたんだ。
きっと初めから自分自身がわかってたんだ。
この時頭を駆け巡る映像。
どこからか聴こえる銃声。
勝鬨、痛みに耐える苦痛の叫び。
『千歳…』
邪魔するものなんて一切ない。
透き通った声。
私の生きていた前世は血に濡れた世界だった。
誰もが己の信念をかけて戦った。
誰もが護りたいものをその命をかけて護った。
誰もがその一日をただ必死になって生き抜いていた。
そんな時代に自分は一度、生を受けていた。