「えー、この関ヶ原の戦いにおいて…」
朝の気怠さもそろそろ忘れ去られた3限目の授業。
静かに黒板から視線を外し外を眺める。
学校のすぐ側には今や有名な観光名所の彦根城。
大河ドラマにもなった井伊家の居城。きっと今年は客も多かろう…なんてぼんやりと考えてそれよりも遠くを眺める。
彦根城の向こう側。
線路沿いの住宅街を麓に持つ、鬱蒼とした山がある。
佐和山。
かつて石田三成の居城である佐和山城があったとされる場所だ。
もう今やそんな様子も見られない。
ただ、慰霊碑だけが寂しく建っている…らしい。
行ったことは一度としてない。
それは、その場所こそが、あの方との思い出の場所であり、私の最期の場所であるから。
「西野ー!聞いてるか?」
先生が私を呼ぶ。
「聞いてますよ」
嘘。
聞いてるとか、聞いてないとかじゃないんだ。
聞きたくないんだ。
あの方の最期なんて…。
授業の終わるまであと15分。
全てを遮断するように、目を伏せた。
朝の気怠さもそろそろ忘れ去られた3限目の授業。
静かに黒板から視線を外し外を眺める。
学校のすぐ側には今や有名な観光名所の彦根城。
大河ドラマにもなった井伊家の居城。きっと今年は客も多かろう…なんてぼんやりと考えてそれよりも遠くを眺める。
彦根城の向こう側。
線路沿いの住宅街を麓に持つ、鬱蒼とした山がある。
佐和山。
かつて石田三成の居城である佐和山城があったとされる場所だ。
もう今やそんな様子も見られない。
ただ、慰霊碑だけが寂しく建っている…らしい。
行ったことは一度としてない。
それは、その場所こそが、あの方との思い出の場所であり、私の最期の場所であるから。
「西野ー!聞いてるか?」
先生が私を呼ぶ。
「聞いてますよ」
嘘。
聞いてるとか、聞いてないとかじゃないんだ。
聞きたくないんだ。
あの方の最期なんて…。
授業の終わるまであと15分。
全てを遮断するように、目を伏せた。