「謝らなくともよい。どうしても視えぬとあらば仕方あるまい」

「王子、たかが占いです」

凛音に宥められ不思議なこともあったものだと店を出ると、空が夕日に染まっていた。

「王子、お疲れになっていませんか。おみ足は大丈夫ですか」

「今日は調子が良い」

立ち止まり足を擦って言う。

「王子、本当に痛みとかはないですか」

「ああ」

予め持ってきた手押しカートは買い出しした物を入れるのに、じゅうぶん役立った。

「あ……王子、先に戻っていてくださいませんか? 1つ買い忘れをいたしました」

「ならば共に」

「いえ、大丈夫です」

凛音はそう言うと、来た方向を後帰り走っていった。

「王子、本当に疲れておられませんか。武術店を出た辺りから僅かに、おみ足を引き摺っておられますよ」

「気づいておったのか」