白々と明けていく空を眺めながら、刻々と時が過ぎる。

不安はいつまでも消えなかった。

十六夜の朝。

凛音を起こさないよう、そっと布団を捲り恐々と立ち上がってみる。

真っ直ぐに立ってた、ただそれだけが嬉しかった。

ゆっくりと、1歩1歩確かめながら足を動かす。

痺れも震えも、重たさも痛みもない。

騎士服に着替え、凛音に「先に鍛錬へいく」とメモを残す。

三節棍を手にし、念のため松葉杖を持ち、訓練所へ向かった。