「王子、これを口に噛んでうつ伏せになりなされ」

王子はハーン殿に言われ、おろしたてのタオルを口で噛みしめ寝返りをうち、うつ伏せになった。

ハーン殿は注射器と秘薬のアンプルを取り出しサイド机の上に置き、王子の体に掛かった羽毛布団を剥ぎ取った。

王子のパジャマと下着を下にずらすと、王子の白い肌をアルコールの染みた綿で数回擦り、注射器を手に取った。

「凛音、紅蓮殿。王子の体をしっかり押さえていてくだされ」

わたしたちはハーン殿に言われ、ハーン殿が王子の上半身を、わたしが王子の足を押さえた。

「凛音、ベッドに上がり王子の足の上へ」

紅蓮殿が王子の足を手で押さえたわたしに言った。

「王子、失礼いたします」

わたしは靴を脱ぎ、ベッドによじ登ると、王子の脹ら脛辺りに乗り両手で王子の太ももを両手で押さえた。